自動車部品メーカーで7年間、機構設計をしてきたミナトさん。HIKARI ROBOTICS に移ってからは、移乗支援ロボ「HIKARI LIFT」の手すりや持ち上げ機構を担当しています。図面を描くだけだった仕事は、どう変わったのか。設計の現場と介護の現場を行き来する毎日を聞きました。
01図面を描いたら、終わりだった
質問:前職では、どんな仕事をしていましたか?
ミナト:自動車のシートまわりの部品を設計していました。精度もコストも厳しくて、鍛えられた7年間です。
ただ、自分の図面がどんな人に使われているのか、最後まで見えませんでした。完成した車に乗っても「この部品、だれかの役に立っているのかな」と思うだけで。
質問:転職のきっかけは?
ミナト:祖母が介護施設に入ったことです。面会に行くと、職員の方がひとりで祖母を抱きかかえて、ベッドから車いすに移していました。あの動作を一日に何十回もくり返していると聞いて、機械でなんとかできないかと考えるようになったんです。
「使う人の顔が見えない設計」に、ずっともやもやしていました。
02金曜日の「見せ合い」が、設計を変えた
質問:入社して、いちばん驚いたことは?
ミナト:試作のスピードです。ヒカリでは毎週金曜日に、チーム全員で「動くもの」を見せ合います。完成度は問われません。段ボールでも、3D プリンターで出した部品でもいい。
最初は恥ずかしかったんですが、早く見せるほど、早くまちがいに気づけるんですよね。
質問:介護の現場には、どれくらい行きますか?
ミナト:週に1回は施設に行きます。介護職のメンバーやデザイナーと一緒に、試作を職員さんに使ってもらう。図面の上では完璧でも、「夜勤明けの手だと、これは握れないよ」と言われることがあります。そういう一言が、いちばんの設計資料です。
ミナトさんが、設計で大事にしていること
- 試作は3日以内に、とにかく形にする
- 最初に見せる相手は、使う人
- 数字だけでなく、使う人の表情も記録する
- 迷ったら、介護職のメンバーに聞く
03ロボットが主役にならないように
質問:HIKARI LIFT で、とくに苦労したところは?
ミナト:手すりです。介助される方が自分の力で立ち上がれるように、ロボットは「最後のひと押し」だけを手伝う。そのためには、手すりの形がすべてなんです。14個の試作をつくって、施設で32回テストしました。
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v1
まっすぐな手すり
握りやすい。でも、立ち上がるときに手首が反ってしまう。
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v2
角度をつけた手すり
手首は楽になった。ただ、小柄な人には遠い。
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v3
高さを変えられる手すり
調整に手間がかかり、忙しい現場では使われなかった。
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v4(採用)
ゆるいカーブ+2段グリップ
背の高さに関係なく、自然な姿勢で握れる。
- 14個つくった試作の数
- 32回施設でのテスト
- −35%立ち上がりにかかる時間(v1 比)
※ 数値は架空のサンプルです
質問:最終的に、何が決め手になりましたか?
ミナト:利用者さんが「これなら自分で立てる」と言ってくれたことです。ロボットが全部やってしまうと、人はできることまでやらなくなる。主役は人で、ロボットはそっと支える。それがヒカリのデザインだと思っています。
ロボットが全部やってしまうと、人はできることまでやらなくなる。
04これから一緒に働く人へ
質問:どんな人と働きたいですか?
ミナト:手を動かすのが好きな人です。ロボットの経験はなくても大丈夫。僕も入社するまで、介護のことは何も知りませんでした。
わからないことを、現場に聞きに行ける人なら、きっと楽しめると思います。
取材・文:HIKARI ROBOTICS 採用チーム/イラスト:HIKARI ROBOTICS デザインチーム
※ 架空の企業によるデザインサンプルです。登場する人物・製品・数値はすべて架空です。