「うちのチームは仲がいいから、心理的安全性は高いはず」。研修の打ち合わせで、よく聞く言葉です。けれど、仲のよさと心理的安全性は、似ているようで別のもの。この記事では、その違いと、チームで今日から確かめられるポイントを整理します。

01「心理的安全性」とは何か

心理的安全性とは、「このチームでは、対人関係のリスクをとっても大丈夫だ」と、メンバーが信じられている状態のことです。質問する、反対意見を言う、失敗を報告する、助けを求める。どれも、言った本人が「わかっていない」「否定的だ」「できない人だ」と思われるかもしれない行動です。

こうした行動が自然に起きるチームでは、問題が小さいうちに見つかり、学びが速く回ります。反対に、言わないほうが安全なチームでは、問題は表に出ないまま大きくなっていきます。

「言っても大丈夫」は、雰囲気ではなく、
チームの約束ごとでつくれます。

02「仲のよいチーム」との違い

心理的安全性を考えるときは、もう1つの軸「仕事の基準(求める水準や責任)」と組み合わせて見ると、違いがわかりやすくなります。

心理的安全性と仕事の基準の4つの組み合わせ 横軸が心理的安全性(左が低い、右が高い)、縦軸が仕事の基準(下が低い、上が高い)。安全性が低く基準が高いと「不安ゾーン:言えないまま、追い込まれる」。両方高いと「学習ゾーン:率直に言い合い、挑み続ける」で、これが目指す状態。両方低いと「無関心ゾーン:誰も話さず、何も変わらない」。安全性が高く基準が低いと「快適ゾーン:仲はいいが、挑戦しない」。 目指す状態 不安ゾーン 言えないまま、 追い込まれる 学習ゾーン 率直に言い合い、 挑み続ける 無関心ゾーン 誰も話さず、 何も変わらない 快適ゾーン 仲はいいが、 挑戦しない 低 高 心理的安全性 高 低 仕事の基準
図:心理的安全性と仕事の基準の組み合わせ(エイミー・C・エドモンドソンによる整理をもとに作成)

仲がよく、安全性も高い。けれど基準が低いままのチームは「快適ゾーン」にとどまります。居心地はよいものの、挑戦や改善は起きにくい状態です。

目指したいのは、安全性と基準の両方が高い「学習ゾーン」。率直に言い合えるからこそ、高い基準に挑み続けられるチームです。仲のよさは、そのための入口にすぎません。

03安全性が下がっている4つのサイン

次のような場面が続いていたら、チームの安全性が下がっているサインかもしれません。

  • 会議の発言が、役職の高い人と特定の数人に偏っている
  • 「何か質問はありますか?」のあと、毎回沈黙が続く
  • ミスの報告が、問題が大きくなってから上がってくる
  • 会議のあとの雑談や個別のチャットで、本音が話されている

どれか1つでも思い当たるなら、それは個人の性格ではなく、チームの「仕組み」の問題として考えてみてください。仕組みなら、変えることができます。

04明日の会議で確かめたい10のチェック

チームの状態を確かめるためのチェックリストです。当てはまるものにチェックしてください。結果はこのページの中だけで数え、どこにも送信されません。

あなたのチームに、当てはまるものは?

直近1か月の会議を思い出して、チェックしてください。

0 / 10 項目が当てはまります

チェックすると、いまのチームの状態がわかります。

チェックが少なかった項目は、チームの「伸びしろ」です。全部を一度に変える必要はありません。次の会議で、1つだけ試してみてください。

05チームで取り組むなら

「どこから手をつければいいかわからない」と感じたら、まずは1つの会議から変えるのがおすすめです。発言の偏りを数字で見て、会議のルールをチームで決め、1か月試して直す。この小さな繰り返しが、安全性の土台になります。

SAFE TALK

心理的安全性ワークショップ

月1回 × 3か月。発言の偏りをデータで見て、会議のルールをチームで決めて試していきます。

プログラムを見る

心理的安全性は、仲のよさでも、ぬるさでもありません。率直に言い合い、高い基準に挑み続けるための「土台」です。そしてその土台は、日々の会議の小さな約束ごとから、チームで少しずつつくることができます。

※ この記事は TATAKI のデザインサンプルです。会社・人物は架空のものです。